花粉症で肌荒れするのはなぜ?肌荒れ対策&スキンケアのポイント

スギやイネ科の花粉が多く飛散するシーズン。くしゃみや目のかゆみなど、花粉症による症状に加え、この時期はなんだか肌荒れしやすい…と感じる人は多いかもしれません。花粉症と肌荒れ・敏感肌の関係や、肌荒れ対策スキンケアについてご紹介します。
目次
花粉が敏感肌の原因に?花粉症と肌荒れの関係
花粉は、肌荒れを引き起こす原因の一つ。さまざまな刺激に過敏に反応する「敏感肌」の引き金になることもあります。まずは、花粉がもたらす肌への影響について押さえておきましょう。ーバーのサイクルが乱れて滞ると、メラニン色素が肌に蓄積・沈着し、シミになってしまいます。
花粉が引き起こす「花粉皮膚炎」
花粉症の典型的な症状といえば、目のかゆみやくしゃみ、鼻水など。ところが花粉症ではないのに、肌の赤みやかゆみ、湿疹などの症状が現れる人もいます。
これは、花粉に対するアレルギー反応によって皮膚に炎症が起こっている状態で、「花粉皮膚炎」とも呼ばれます。露出している顔や首、特に皮膚の薄い目の周りは、症状が出やすいところです。
ティッシュによる摩擦刺激
花粉症による鼻水で頻繁に鼻をかんでいると、ティッシュで肌がこすれて炎症を起こすことがあります。鼻周りに赤みが出たりヒリヒリとした痛みを感じたり、思い当たる人は多いですよね。
またウイルス感染や花粉症対策として着用するマスクも、頬やあごがこすれることにより、肌荒れにつながるケースがあります。
肌のバリア機能の低下

バリア機能とは、水分を含んだ角質層と皮脂膜がバリアとなって、
● 外部刺激(紫外線や花粉、大気中の微粒子汚れなど)の侵入を防ぐ
● 肌内部の水分蒸散を防ぐ
しかしバリア機能は、ティッシュやマスクなどの摩擦のほか、うるおい不足による乾燥や紫外線ダメージなどによって低下します。
春先はまだ空気が乾燥しているうえ、紫外線量が急激に増加。乾燥も紫外線も肌の刺激となるため、外部環境的にもバリア機能が低下しやすい季節といえるでしょう。
バリア機能が低下した肌は、花粉の影響をさらに受けやすい状態に。花粉の刺激によって肌に炎症が起きると、さまざまな外部刺激に反応しやすい敏感肌になることもあります。
花粉による肌荒れ対策・スキンケア編
花粉による肌荒れを防ぎ、敏感肌を立て直すためには、
● 肌のバリア機能を高めること
● 花粉や紫外線などの外的刺激から肌を守ることが重要です。
保湿ケアを強化してバリア機能を高める
バリア機能が正常に働いていると、花粉や摩擦などの外部刺激から肌を守ってくれます。日頃から朝晩のスキンケアでしっかり保湿して、バリア機能をサポートしましょう。
ポイントは、水分と油分をバランスよく補うこと。ベタつきを気にして「化粧水はたっぷり・乳液やクリームはちょっぴり」にすると、うるおいを長時間保てないことがあります。パッケージに記載されている適量を目安に使ってくださいね。
肌をこすらないように顔全体にやさしくなじませたら、手のひらで包むようにハンドプレス。しっかり浸透させましょう。
日やけ止めで花粉と紫外線を防御

バリア機能が低下しているときは、通常より花粉や紫外線の刺激を受けやすい状態です。保湿ケアはもちろんのこと、UV対策も欠かせません。花粉の付着も防止できる日やけ止めがあるので、選ぶときにチェックしてみましょう。
花粉も紫外線も1年中降り注ぐため、季節を問わず、年間を通して使用することをおすすめします。
ベースメイクも花粉対策の味方に!
肌が荒れやすい花粉の季節や、敏感肌になっているときは、ベースメイクを避けがちになるかもしれませんね。ですが、そんなときこそベースメイクが敏感肌の味方になることも。物理的に花粉をブロックするため、肌荒れを防ぐことができます。ベースメイクアイテムは敏感肌用を選ぶとよいでしょう。
「ファンデはお休みしたい」という人は、肌色補正(トーンアップ)効果のある敏感肌用の日やけ止めがおすすめです。
クレンジング・洗顔は優しく丁寧に
ごしごしこするクレンジングや洗顔は避け、刺激を与えないように丁寧に洗いましょう。雑に行うと、眼や鼻の周囲についた花粉が侵入し、花粉症の症状が悪化することがあります。洗顔後も、やわらかいタオルをそっと押し当て水分を吸い取るようにします。
肌荒れが気になるときの化粧品の選び方
肌荒れが起きているときは、いつものスキンケア化粧品が肌に合わなくなることがあります。敏感肌向けのスキンケアに切り替えるのが望ましいでしょう。アイテムを選ぶときは、以下の表示をチェックしてみてください。
● 敏感肌用
● 皮膚科学的テスト済み
● 皮膚科医の協力のもとテスト済み
● ニキビのもとになりにくい処方
● アレルギーテスト済み
花粉による肌荒れ対策・生活習慣編
スキンケアやベースメイクで肌を守りつつ、花粉を家に持ち込まないことも大切です。花粉の時期の行動や生活習慣も見直してみましょう。
花粉が付きにくい衣類を選ぶ

外出時はメガネやマスク、ストールを着用し、肌になるべく花粉が付着しないようにします。さらに、マスクの内側にガーゼを挟むと花粉除去率が上がり[1]、肌荒れも起きにくくなります。
花粉は髪や服にも付着しますので、帽子をかぶる、花粉が付きにくい素材(綿やポリエステル)の服を選ぶ、などもおすすめです。
花粉が多い日の外出をなるべく避ける
環境省の報告によると、花粉が多い日は次の3つです。なるべく外出を避けるのも一つの方法です[1]。
1. 晴れて、気温が高い日
2. 空気が乾燥して、風が強い日
3. 雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いたあと
帰宅したら服についた花粉を払い、すぐにシャワーを浴びるか洗顔することを心がけましょう。また、洗濯物は部屋干しが望ましいでしょう。
肌のバリア機能をキープする睡眠・食事
睡眠には免疫機能の強化や、ダメージを受けた細胞を修復する作用があります。バリア機能が働くすこやかな肌を保つためにも、睡眠は重要。忙しい平日でも、6時間以上の睡眠を目標にするのがおすすめです。
また、栄養バランスのとれた食事も心がけましょう。
● 主食(ごはんやパン)
● 主菜(肉や魚、卵、大豆食品を使った料理
● 副菜(野菜を使った料理)
これらを組み合わせた食事を1日2回は食べるよう意識してみてください。
花粉の防御とバリア機能を保つ保湿が鍵
花粉による肌荒れを防ぐには、花粉が肌に付着しないようにすることが第一。同時に、日頃から朝晩のスキンケアでしっかり保湿し、花粉に負けない肌をはぐくみましょう。
[1]環境省. “花粉症環境保健マニュアル2022” 環境省Webサイト. https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf (参照2022-12-01)
キーワードで関連記事を探す