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皮膚科医に聞く今日からできる「肌やすめ」。

夏のダメージの蓄積と、乾燥が重なるこの時期。
季節の変わり目から秋冬は、肌の変化が気になるタイミング。
そんなときは、いつものスキンケアを
いったんお休みして、シンプルなステップのスキンケアにシフトチェンジ。
お肌の不調を感じたら、まずはこの一ヶ月「肌やすめ」してみませんか?

<肌やすめとは>
季節の変わり目など、肌の変化が気になるときに、いつものスキンケアをいったんお休みして、肌に負担のないシンプルなステップのスキンケアにシフトし、肌コンディションを整えること。

夏の期間、肌はどんなダメージをうけていますか?

夏の期間、肌はどんなダメージをうけていますか?

夏の間、肌に最もダメージを与えているのは紫外線。続いて汗による刺激も見逃せません。汗は自分自身から出ているものですが皮膚に大きな刺激を与えます。

さらに暑さによって全身状態が疲れているので、その疲労は肌にも当然表れてきます。

また、皆さん感じていることですが、室内はエアコンで乾燥状態なのに外は高温で湿度が高い、そのギャップも皮膚にとっても意外と負担をかけているのです。

夏から秋冬にかけて、季節の変わり目にダメージが出やすいのはなぜ?

第一に気候の変化です。夏の間は湿度が高かったのに、秋になると急に乾燥し、そのような急速な変化は肌にストレスがかかるのです。

第二に考えられるのが、生活リズムの変化。夏は長期休暇をとる方がいますが、実は休暇終わりに調子を崩す方は夏に限らず多いのです。理由は、旅行や帰省などで普段とは違う生活リズムになるため、体調を崩したり、肌にも影響が出るのです。

第三には、食生活です。夏場は食欲が落ちると偏食しがちになり栄養が偏ります。健康な肌を保つために必要な、たんぱく質やビタミン類などの主要な栄養素が摂取できていないと、肌にダメージが出やすくなります。

肌ダメージが気になる時、まずは保湿が大切。

なぜ保湿が大切かというと、角質層に水分を保つ状態にすることで、外部の刺激から皮膚を守る働きをするからです。その機能が壊れると、ちょっとした刺激により肌トラブルをおこしやすくなるのです。

また、トラブルを起こしている場合、余計なケアで刺激を与えないことも重要。場合によっては、私のクリニックでもお薬を使用し炎症を治めることもあります。

普段のスキンケアでは、肌に負担をかけることは極力避けましょう。秋冬は新作コスメが並び、つい新商品を使用したくなりますよね。また、美白の化粧品を秋から使い始める方も多いのですが、あえていつもと違うことをはじめない方がよいでしょう。まずは守りのスキンケアで、肌コンディションを整えることに集中しましょう。つまり、これが「肌やすめ」なのです。

1年のうちに肌ダメージが出やすく、肌やすめに適している時期は?

季節の変わり目、特に春先と、秋口です。夏の終わりから冬にかけては、個人差はありますがダメージがでやすい時期なのでシンプルな ステップのスキンケアがおすすめです。

お肌が不調なとき、まずは一か月「肌やすめ」を。

何かをしたら、一瞬で魔法のようにかわることはありません。短期間の勝負ではなく、継続することで改善する可能性が高まります。肌のターンオーバーを考えると最低一ヶ月は必要。皮膚が再生されて、本来の健康な皮膚に生まれ変わる為には一か月以上の期間が必要です。スキンケアに関してもできれば一から二ヶ月は継続することをおすすめします。さらに、「肌やすめ」で良い状態を保てるならば、そのケアを継続するのが良いと思います。

肌やすめに適したスキンケアとは

肌やすめの期間は、保湿を重視したスキンケアに切り替えることがおススメ。

スキンケアで最も重要なのは、ファーストステップの水分保湿。乾いている肌にいきなりクリームなどの油性成分を使っても、内部がカラカラで、表面だけベトベトしている状態です。スキンケアの基本は、水分保湿をした後、油分を補い乾燥を防ぐこと。

また、最近では美容液を使用している方がほとんどなのですが、「肌やすめ」の期間中は特別な事情がない限り使う必要はないと考えています。

つまり、基本的な手順でスキンケアをすることが最も大切だと言えるでしょう。

肌が弱っている時だけでなく、敏感肌の方は日々どのようなスキンケアをしたらよいでしょうか?

大切なのは「優しく洗顔、しっかり保湿」です。

洗顔は刺激がないように泡で洗う事がポイント。洗浄力の強すぎるものは避けましょう。ニキビの治療中でも洗いすぎは禁物です。続いて保湿のポイントですが、よく質問されるのが、「コットンを使用すべきか、手でつけるべきか」。どちらが正しいという事はありませんが、敏感肌の方は基本は手で直接つけましょう。髪の毛でさえ肌に刺激となる敏感肌の方もいらっしゃいます。コットンは毛足が皮膚に刺激となる場合があります。

そして、使用する量ですが自分が潤っていると感じれば、それが適量です。つっぱりなどの違和感を感じなければ問題ありません。よくバシャバシャと大量の化粧水を使用する方がいらっしゃいますが、化粧水は角質層までしか浸透せず、入る量も決まっているので、沢山つければその分だけ潤うわけではないのです。


お肌の不調を感じたら、まずは1ヶ月 今までのスキンケアをお休みして、「肌やすめ」をしてみてください。

山王メディカルクリニック院長 宮地百子

慶應義塾大学病院皮膚科研修医、国立霞ヶ浦病院、東京都済生会中央病院皮膚科勤務を経て渡米、米国マイアミ小児病院皮膚科およびマイアミ大学皮膚科にてニキビ治療などを中心とした臨床を学ぶ。帰国後は都内総合病院皮膚科、美容皮膚科等を兼職し、平成26年4月山王メデイカルクリニックを開院。

 
宮地百子
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