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ニキビ対策の勘違いを払拭!セルフケアと食事や睡眠の注意点

ニキビ対策の勘違いを払拭!セルフケアと食事や睡眠の注意点

ニキビはさまざまな要因によって引き起こされ、悪化していきます。この悪化のサイクルを断ち切るために、適切なスキンケア(洗顔、保湿、紫外線対策)を行い、食生活や睡眠習慣を改善しましょう。なかには勘違いして、かえってニキビを悪くしてしまうスキンケアをしているケースも…。皮膚科医の小林美和先生からの具体的なアドバイスを、ぜひチェックしてみてください。

ニキビの原因は1つではありません。さまざまな要因がお互いに影響し合ってニキビの発症・悪化につながります。

性ホルモンや生活習慣、ストレスなどの要因により、皮脂の分泌が多くなると、皮脂を好む菌(アクネ菌やマラセチア菌など)が増えて活発になります。増えた菌に対抗するため、皮膚では防御反応として炎症が起こります。

炎症が起こると毛穴が詰まりやすくなり、詰まった毛穴の中に皮脂がたまるので、菌が増える……これを繰り返してどんどんニキビは悪くなっていきます。

ニキビの悪化サイクルを食い止めるために

詳しくは「ニキビの原因はアクネ菌だけじゃない?皮膚科医に聞く『皮膚の常在菌』(マイクロバイオーム)の影響」の記事もご覧ください。
このニキビが悪化する「負のサイクル」を止めるには、治療だけでなく日々のスキンケアや生活習慣の改善などで、良い方向へ変えていく必要があります。これから、ニキビ予防のためのスキンケアと日常生活におけるニキビ対策のポイントを具体的にお伝えします。

ニキビ予防のためのスキンケア

ニキビ予防のためのスキンケア

ニキビ予防のためのスキンケアでは、洗顔・保湿・紫外線対策の3点セットを行うことをおすすめします。すでに実践している方も、適切なスキンケアができているかどうか、この機会に見直してみてくださいね。

ニキビ肌の洗顔

ニキビ肌の方は、目安として1日2回、朝晩に洗顔と保湿をセットで行いましょう。

「肌が乾燥するから良くない」と考えて、石鹸などの洗浄剤を使わずに洗う方がいらっしゃいます。しかし、ニキビができる、ということは皮脂が増えているということなので、余分な皮脂を除去するための洗顔を行うことが大切です。洗浄料を使い、ぬるま湯ですすぐと、皮脂を落としやすくなります。

洗浄剤は肌質に合わせて選び、まず手を洗ってから使用量を守ってよく泡立てましょう。泡で膜を作るようにして、こすらずに優しく洗い、水かぬるま湯で十数回、洗浄剤が残らないように丁寧にすすいでください。

ただし、皮脂が気になるからと言って、洗浄しすぎるとかえって皮膚の状態が悪化しますのでご注意くださいね。

ニキビ肌の保湿

洗顔後の乾燥を防ぐために、化粧水を手に取り、手のひら全体で顔を優しく押さえるようにしてなじませましょう。

ニキビ肌の保湿ケアは、水分を補うように意識して行ってください。ニキビを悪くするような成分を配合している製品は避けた方がよいですし、油脂含有量の多いクリームやバーム、ワセリンのようなものは、特に乾燥が気になる部分だけにつけるのがいいでしょう。

「ノンコメドジェニックテスト済」と表示のある保湿用スキンケア製品を選ぶことをおすすめします。

なお、ニキビ肌用の化粧水には、保湿成分に加えて皮脂分泌を調整する成分や、アクネ菌の増殖を防ぐ成分などを配合している製品があります。また、ニキビ肌用の美容液には、保湿成分とともに角質細胞除去成分を配合することで、肌の代謝を促してニキビを予防する製品があります。

ニキビ肌なら紫外線対策を!

紫外線は、皮膚を傷めてニキビが悪くなる要因になりえます。日焼けをすると、皮膚炎を起こしたり乾燥したりと、トラブルが増えます。また紫外線を浴びると、皮膚の抵抗力が落ちて菌が増えやすくなったり、ニキビのもとである面皰ができやすくなったりすることもあるので、紫外線対策はぜひ行ってください。

紫外線対策として、「ノンコメドジェニックテスト済」の日やけ止めを利用しましょう。

しかし皮脂が増えているニキビ肌の人では、日焼け止めを塗るのがあまり好きではない人もいます。帽子をかぶる、日傘をさすなどの紫外線対策も検討してみてください。

日常生活におけるニキビ対策のポイント

日常生活におけるニキビ対策のポイント

ニキビの大きな要因である皮脂の分泌量増加は、生活習慣を見直すことで改善できる場合があります。

ニキビ肌に良い食生活

ニキビ肌の方に対して「これは食べてはいけない」とか「これを食べればいい」という特定の食品はありません。糖分やカロリーの摂り過ぎがニキビによくないという海外のデータがありますが、摂り過ぎはニキビに限らず誰でも気を付けるべきことですよね。ニキビ対策として、本来摂るべき量より減らす必要はありません。

まずは、栄養が偏らないような、バランスの良い健康的な食生活を心がけましょう。いわゆるジャンクフードやお菓子でお腹を満たすのではなく、食事でいろいろな種類の食品を摂るようにしてください。

その上で、「これを食べたらニキビが悪くなる気がする」とご自身で気づくものがあれば、それは控えめにすると良いでしょう。アレルギーのように「食べてはいけない」ということではないので、量や回数を減らすなどの工夫をしてもらえればと思います。

ちなみに、食べた油がそのまま皮脂になるわけではありません。油脂も大事な栄養ですから、極端に避けることのないように、ただし摂りすぎない程度に食べてください。

ニキビ肌に睡眠不足は大敵!

食生活に加えて、ニキビ肌の方に気を付けていただきたいのが「睡眠不足」です。

ストレスはニキビの一因です。ストレスがかかると、ストレスホルモンが分泌され、それが皮脂を増やしてしまいます。ストレスにはさまざまな種類がありますが、睡眠不足は大きなストレスの一つであり、寝不足はニキビの大敵です。夜更かしや徹夜をせずに、質の良い睡眠をとるようにしましょう。

実際に、中国の若い女性を対象とした研究*では、午後11時以前に就寝するグループと、それよりも遅いグループに分けて比較すると、「就寝時間が遅いグループでは皮膚バリアが弱くなり、保湿と皮脂のバランスが崩れ、皮膚の常在菌(マイクロバイオーム)の量や多様性が減少していた」という結果が報告されています。

ストレスには、心理的なストレスや身体的なストレスがいろいろありますが、自分でコントロールできるストレス軽減策は睡眠不足を解消することです。ニキビにお悩みの方は、まず睡眠習慣を見直してみてくださいね。

*Li Shao, et al.Regular Late Bedtime Significantly Affects the Skin Physiological Characteristics and Skin Bacterial Microbiome.Clin Cosmet Investig Dermatol. 2022; 15: 1051–1063.

こばやし皮膚科クリニック 副院長
小林美和先生

こばやし皮膚科クリニック副院長。香川医科大学を卒業後、産業医科大学皮膚科に入局。さまざまな皮膚疾患の予防から治療までトータルな診療を行う。ニキビ、シミ・シワ、肌が敏感なときのメイク法など、女性に多い悩みにも親身に寄り添う診療とアドバイスで患者からの信頼も篤い。 WEBメディア、雑誌などでも正しいスキンケア方法を発信している。

小林美和先生
小林美和先生

こばやし皮膚科クリニック 副院長
小林美和先生

こばやし皮膚科クリニック副院長。香川医科大学を卒業後、産業医科大学皮膚科に入局。さまざまな皮膚疾患の予防から治療までトータルな診療を行う。ニキビ、シミ・シワ、肌が敏感なときのメイク法など、女性に多い悩みにも親身に寄り添う診療とアドバイスで患者からの信頼も篤い。 WEBメディア、雑誌などでも正しいスキンケア方法を発信している。

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