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乾燥肌を改善するには? 改めたいNG習慣やスキンケア選びのポイントも

乾燥肌を改善するには? 改めたいNG習慣やスキンケア選びのポイントも

乾燥肌とは、水分も皮脂も不足した状態の肌のこと。肌がゴワゴワ硬い感じがしたり、ファンデがうまくのらなかったりするお悩みにも、乾燥肌が関係しています。乾燥肌とはどのような肌状態なのか解説するとともに、乾燥肌を招くNG習慣や改善方法を紹介します。

乾燥肌とはどんな状態のこと?

乾燥肌とは、肌表面(角質層)の水分と皮脂が不足した状態の肌をさします。もともと皮脂の分泌が少ない目や口の周り、頬などが乾燥しやすく、次のような症状が現れることがあります。

  • 肌にツヤがない
  • メイクがのらない
  • 洗顔、入浴後に肌がつっぱった感じがする
  • 肌がゴワゴワして硬い感じがする
  • 白い粉が吹いたようになる

さらに悪化すると、かゆみの症状が出ることも……。乾燥は顔だけでなく、ひじやひざ、すね、かかとなど全身に起こります。

バリア機能が低下している乾燥肌

健康な肌 乾燥肌 皮脂膜 天然保湿因子(NMF) セラミド

肌の一番外側は、角質細胞がブロック状に積み重なって角質層を形成しています。角質層ではNMF(天然保湿因子)とセラミドなどの細胞間脂質が水分を保持。さらに皮脂膜が角質層を覆うことで、バリア機能を働かせています。バリア機能とは、次の2つの働きのことをいいます。

  • 肌内部の水分の蒸散を防ぐ
  • 紫外線や大気中微粒子などの外部刺激から肌を守る

しかし、なんらかの原因で角質層の保湿物質や皮脂が減少すると、肌が乾燥しバリア機能が低下。紫外線や大気中微粒子などの外部刺激を受けやすくなって、敏感肌になることがあります。

肌が乾燥する原因

NMFや細胞間脂質の産生量、皮脂の分泌量は、年齢とともに減少していきます。また気温と湿度が低下する冬は、皮脂と汗の分泌量が低下するため、皮脂膜が減って乾燥しやすくなります。

さらに、間違ったスキンケアや生活習慣の乱れによってバリア機能が低下し、乾燥肌になっている可能性もあります。

乾燥肌を悪化させるNG習慣

ゴシゴシと顔をこするように洗顔したり、ついつい夜更かしをして寝不足になったり……。何気ない行動が、乾燥肌を悪化させているかもしれません。いつものお手入れや生活習慣を振り返ってみましょう。

肌を摩擦している

バリア機能が低下して弱った肌に、摩擦刺激は禁物です。部位によりますが、角質層はラップ1枚分ほどの薄さでとても敏感。スキンケアの際に肌をこすると、角質層が傷ついてしまいます。次のようなお手入れが摩擦になるので気をつけましょう。

  • 洗顔料を十分に泡立てずに顔をこするように洗う
  • 洗顔後にタオルで顔をこするように拭く
  • 化粧水をつけるときのパッティングが強すぎる
  • クリームを強くすり込むように塗る
  • マッサージや剥がすタイプのパックを頻繁に行っている

夏しか紫外線対策をしていない

紫外線は、肌内部の水分を奪ったりターンオーバー(細胞が生まれ変わるサイクル)を乱したりします。ターンオーバーが乱れると、その過程でつくられるNMFや細胞間脂質などの保湿物質が減少し、乾燥しやすくなります。

日差しの強い夏だけでなく秋冬も、曇りや雨の日にも、紫外線は1年中降り注いでいます。紫外線にはUVAとUVBがありますが、UVAは照射量の季節変動が少ないうえ、雲や窓ガラスをすり抜けるのが特徴。そのため室内にいても、紫外線の影響を受けることがあります。

1年365日、日焼け止めを塗って紫外線対策することをおすすめします。

生活習慣が乱れている

睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、日中にダメージを受けた細胞が修復・再生する時間帯。そのため睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、バリア機能を低下させる大きな原因になります。

また運動不足になると血液のめぐりが悪くなり、肌の細胞に酸素や栄養が行き届きにくくなるため、ターンオーバーの乱れにつながります。

このほか栄養バランスの偏った食生活や喫煙などの生活習慣も、すこやかな角質層の形成を阻み、肌を乾燥させます。

乾燥肌の改善方法

乾燥肌の改善方法

乾燥肌を改善するには、日頃のお手入れや生活習慣を見直すことが大切です。気をつけたいポイントを紹介します。

やさしくクレンジングする

クレンジングの量が足りないと、肌の摩擦につながります。パッケージを確認して適量を手にとり、やさしくなでるようにメイクとなじませます。

やさしく洗顔する

泡を顔全体にそっと広げ、大きな円を描くようにやさしく洗います。洗顔料の泡は「量」ではなく「質」が大事。気泡の小さいきめ細かい泡をつくりましょう。

肌にやさしい洗顔方法について、詳しくは「【動画で解説】ニキビ肌の正しい洗顔方法と保湿のポイント 」の記事をご覧ください。

やさしく保湿する

バリア機能が低下した乾燥肌は、肌内部の水分が逃げやすくなっています。洗顔後は速やかに保湿ケアを行って、水分の蒸散を防ぎましょう。化粧水や美容液、乳液(またはクリーム)は、いずれも以下の手順でやさしく行います。

  1. 適量を手に取る
  2. 円を描くように顔全体に広げて、手のひら全体を使って包み込むようにやさしく3秒間ハンドプレスする
  3. 両ほほ、おでこ、小鼻の横をそれぞれ2~3秒間おさえる
  4. 皮膚の薄い目元は、力の入りにくい薬指や小指でなじませる

「適量」の日焼け止めを「毎日」塗る

先述の通り、日差しが強くない秋冬も、曇りや雨の日も、1年中紫外線は降り注ぎ室内にも差し込みます。日焼け止めを毎日塗る習慣をつけるのはもちろん、使用量や塗り方も見直してみましょう。

日焼け止めの使用量が少ないと、ムラづきになり効果が半減してしまいます。商品によって異なりますが、クリームタイプならパール粒2~3個分が目安です。おでこ・鼻先・両頬・あごの5点にのせてから、丁寧になじませましょう。

「適量」の日焼け止めを「毎日」塗る

詳しくは「日焼け止めは『適量』が大事!効果的な塗り方のポイントと注意点【動画解説付き】 」の記事で紹介中です。

生活習慣を見直す

体にいい生活習慣は、肌にもいい影響をもたらします。まずは十分に睡眠をとることを心がけて、食生活や運動などもできることから見直してみましょう。

<睡眠>
夜10時から午前2時は肌のターンオーバーが活発になります。この時間を含めてなるべく6時間以上、0時までには寝るのが理想的です。

<食事>
皮膚の抵抗力を高める栄養素は、たんぱく質、ビタミンAやB群、カルシウムなど。カルシウムの吸収を高めるビタミンDを一緒に摂ることも大切です。肉や魚、卵、野菜、果物などをバランスよく食べましょう。

栄養素 食材
たんぱく質 肉・魚・豆類・卵など
ビタミンA 緑黄色野菜・レバーなど
ビタミンB2 牛乳・卵・肉類・レバーなど
ビタミンB6 豚肉・レバー・豆類など
カルシウム 卵・ナッツ類・うなぎなど
ビタミンD サンマ、鮭、シラス干し(半乾燥品)、干ししいたけなど

乾燥肌のスキンケア選びのポイント

スキンケアや生活習慣の見直しに加えて、毎日使用するスキンケア化粧品も肌のコンディションに影響します。乾燥肌は、肌へのやさしさと保湿力をポイントに選びましょう。

刺激になりにくいスキンケア化粧品を選ぶ

バリア機能が低下している乾燥肌は、外部刺激を受けやすい状態です。化粧品に含まれる成分にも刺激を感じることがあるので、敏感肌用の化粧品でケアしてみてはいかがでしょうか。スキンケア化粧品のベースとなる「水」にもこだわって、肌を落ち着かせ和らげる「湧き水」を使用している化粧水もあります。

保湿力が高いスキンケア化粧品を選ぶ

長時間肌のうるおいを保つには、水分と油分の両方をしっかり補うことが大切です。高い保湿力をもちながら、バリア機能が低下して敏感になった肌にも使えるスキンケア化粧品がよいでしょう。肌にやさしく高保湿な成分には、

  • ナイアシンアミド
  • グリセリン
  • ヒアルロン酸
  • セラミド

などがあります。

それぞれの成分について、詳しくは「ナイアシンアミドとは?注目すべき理由と美容効果│敏感肌におすすめの成分5選も」の記事をご覧ください。

季節によって皮脂の分泌量が変わるため、そのときの肌状態にあったアイテムを選ぶのもポイントです。夏は油分控えめの保湿美容液、冬は保湿クリームをプラスするなどして、水分の蒸発を防ぎましょう。

肌のお手入れや生活習慣を見直して乾燥肌の改善を

乾燥肌になるとバリア機能が低下し、肌トラブルが起こりやすくなります。弱くなった肌を労るために、高保湿・低刺激なスキンケア化粧品でやさしくお手入れを。バリア機能を回復させて、うるおいに満ちた肌をはぐくみましょう。

日本医科大学皮膚科学教授
船坂陽子先生

医学博士。皮膚科専門医。神戸大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科終了。米国エール大学、シンシナティ大学留学。2014年10月より日本医科大学医学部皮膚科学教授。専門は美容皮膚科学、光生物学、色素細胞の生物学など。国際色素細胞学会会長(2020年~2023年)、日本光医学光生物学会理事、日本美容皮膚科学会理事、日本レーザー医学会理事などに着任している。

船坂陽子先生
船坂陽子先生

日本医科大学皮膚科学教授
船坂陽子先生

医学博士。皮膚科専門医。神戸大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科終了。米国エール大学、シンシナティ大学留学。2014年10月より日本医科大学医学部皮膚科学教授。専門は美容皮膚科学、光生物学、色素細胞の生物学など。国際色素細胞学会会長(2020年~2023年)、日本光医学光生物学会理事、日本美容皮膚科学会理事、日本レーザー医学会理事などに着任している。

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